― 前日/森入り口→小屋 ―
[雨なんて平気だと子供頭は思っていたが、経験豊富な大人頭のアーベルが言った通りにすぐさま強くなっていった。]
うひゃー!すっげー雨!
かみなり落ちるかな?
[嵐が怖い物だというのは子供でも知っている。
知っているが、ちょっとわくわくする気持ちがあるのは、あの暗闇を切り裂くように光る輝きには憧れににた思いを子供は抱いているからだった。
大きな音は、ほんのちょっと苦手にしているけれど。
ナターリエに言った通り、雨の中寄り道するつもりはなくて。
教会のすぐ傍にあるいつもの物置小屋に、スコップを置きに潜り込んだ。
古いからかたてつけ悪い扉はしまりが悪く、隙間から雨が入り込む。
えいっとめいっぱい力を込めてしめたら、なんだか変な音がしたが、とりあえず入り口から雨は入らなくなったと同時に外からの光も随分奪われた。]