― 翌朝 ―[目覚め身支度を整える。祈りを捧ぐ為に組んだ手――、右手の甲、手首に近い其処には、蒼き花が咲く。] 朱き花の対――…[双花聖痕、と、音無く綴り息を吐き出す。予兆はあれど気のせいだと思おうとしていた。圧し掛かる責から目を背けようとして逃れようがないことを明瞭になるその痣が知らせる。暫し考え、白手袋を両手にはめて日課を、と思うとほぼ同時にその声>>29が響いた。]