― 黒珊瑚亭 ―
エリお兄、か…。
まだ、そう呼んでくれるんだね。
えーと、カルは綺麗になってて、びっくりしたよ。
[カルメンの呼びかけに、小さく頷いて。
記憶の中では少年っぽかったような気のする彼女が、
すっかり女性らしくなっていることに、
老人>1:62に確認してもらっていた とはいえ、
改めて、微かに戸惑ったような表情を浮かべる]
……知らない人ならいい、というものでもないとは思うけれど、
知ってる人ばかりは、つらいね…。
[カルメンの言葉に滲む感情は察せられて。
同じく、嘆息しそうになるのを堪える]