―中央エリア・ビル屋上―そりゃぁ、なぁ。[鴉が舞い上がるとほぼ同時、娘は白虎の背に飛び乗る]――血の繋がった、姉弟ですし。[嘘か真か言葉を紡ぎつつ、開いた目の色は、紅。虎の目もまた同じ色に。携えた傘、先程まで鞘の役割をしていたそれは、見た目よりもずっと重量を持つもの]ただの獣遣いと同じにしてもろては、困りますえ。[両の手の煌めきを前に、紅の眼がふ、と笑む。虎が咆哮を上げた]