[白い猫が主人の傍へ近寄って頬を舐める。>>30その様をぼんやりした表情で見つめていてーー不意に糸が切れたようにその場に座り込んだ。] ホント、もう……二度とごめんだよ。[最期の言葉>>29に籠められた意味を知ってか知らずか、吐き捨てるように言った。獣の腕はいつしか人のそれに戻っている。爪先に付着した血はまだ暖かい。その手を口許へと運んで、少し舐めてみる。] 苦っ。[鉄錆を口に含んだような、そんな味しかしなかった**]