─ 前日 ─
……何度だって弾いてあげるって、言ったものね。
[昨夜は弾けず仕舞いだったピアノに触れて、呟く。
こんな事になるなら、もっと時間の許す限り弾けば良かった。
>>3:134最期の願いを残した彼女は、人狼だった、けれど]
…アタシもね。
嬉しそうに踊る、アンタを見るのが、とても好きだったのよ。
[幸せに微笑む老尼僧と同じ様な気持ちでいると、そう思えたあの時間が何より好きだった。
老尼僧も、少女も。もう戻らない。けれど、少しでも届いたら良いと。
もしかして、一人で此処にいれば狙われるんじゃないか。───狙ってくれるんじゃないか。
そんな考えで、たった一人、眠りに落ちるまで懐かしい歌を南曲でも弾きつづけた*]