[それでも眠りは時折り破られ、交わされるのは、取り留めない言葉>>47]
……短いのも悪くないが、長い方が好みかも知れん。
[呟いて、手を触れる。
金の髪。色が見える内に、覚えておきたい。働くのは、そんな無意識]
……ピン、って……あれか?
[瞬き、ひとつ。
ロッカールームの扉を開けるために壊した古びた薔薇の飾りピンは、形見の品]
……いや、いい。そのまま持ってろ、落ち着いたら、直すから。
……でも、なんで持ってたんだ?
[ふと感じた疑問に返されるのは、『嫉妬』という言葉。
ため息が零れた]
……まったく。
死んだ者に張り合うなど、意味なかろうが。