[差し伸べられた、手。
聖のこと、あんなに悲しんでいた姿を拒むことは出来なくて。
部屋を出る。その入り口で見つけた一つの影。
ほとんど話をしたことがない、名前もわからない、少女。]
――…後でいいから、ちょっと話をしたいんだ。
別にとって喰わないから。
あ、でも心細いなら誰かと一緒の所でもいいよ?
もちろん、そっちに不利な話で無ければ、ね?
[すれ違い様、小声で話しかける。
残る生存者の内、選択肢はふたつ。
その内一つの選択肢からは、
もう一つの能力者の声が上がっているらしい。
どこまで信憑性が有るか判らないけど。]