[ちなみに本来であれば外で、広範囲対象に使うもので。
質量が空間を上回り、周囲の隙間という隙間に琥珀色は流れ出す。
クレメンスらが居た場所中心の廊下という廊下に、琥珀の粒は満ち溢れ。
うっかり巻き込まれた者の傷や状態変化、失われた体力が、ある種の快楽と共に瞬時に回復されるだろう。
絶大なる癒し。
ナターリエを飲み込んだ後暫く、緩やかに琥珀はそこを漂っていたが。
数分程度の後、琥珀はゆっくり端から、溶けるようにきえていく。
琥珀が全てが消え去り、灰銀だけが残れば。
それは人の形を取り、うつ伏せに倒れている普段のナターリエの傍に立って。]
…はぁ。
[いたが溜息と共に壁に背を預けずるずると座り込んで。
大丈夫かと、口を開きかけたが声にはならず。
そのまま壁にそって横に*倒れた。*]