[それから時を置いて届けられた食事には、待ってましたと歓声を上げ]
ああ、シスターさんには、明日んなったら、ご挨拶に行く、ってぇていっといてくんな。
今から押しかけちゃあ、申し訳ないからな。
[届けに来た司書の立ち去り際にこんな言葉を投げかける。
色々と言われてはいるが、シスターへの礼だけは欠かさないのがこの行商人の矜持──と知る者は、生憎といない。
いたとしても、それ以外の部分にかき消されている、ともいうのだが]
……しかし、これっぽっちじゃ足りねぇなぁ……。
[言いながら見やるのは、食事に添えられた酒瓶]
後で、寝酒を頂戴に行くとするか。
[気軽な口調で言いながら、飲み食いを進めていく。
そうして夜も更けた頃、地下の貯蔵庫へと忍び込むが。
その様子を誰かに見咎められる可能性などは、抜け落ちていた。**]