< 問いかけには、わからないと首を振る。
何を思って仔に首飾りを託したのか。真実は彼女の心に在るのだろう。
首飾りを受け取り、代わりに、己以外に彼女の真名を知る者の名を告げる。恐らく、直ぐに知ることであろうから >
……誰にも願いはあるのだろうね。
わたしは、今は……剣を望む。
リーチェは、リーチェの望むように。
< 協力を要請することはせず、低く囁く。
手にした聖なる気を宿した石は、揺らぎの最中に在るものに警告を発す。
意の理解出来ない声無き声が、脳裏に響き渡るようだった。
旧き記憶を奥底に抱く身は、一介の影が知らぬはずの知識をも得る。揺らすものの意図も、剣の力とその危険性も、起こり得る事柄も。
痛みよりも何よりも、その事実の重みが、酷く堪えた。
* 光も闇も無き今、影は何処へ往こう *>