─ 黒珊瑚亭 ─
え、だって。
お兄はお兄……だし。
[エーリッヒの言葉>>52に、こてり、と首を傾ぐ。
綺麗になった、と言われると、ほんの少し照れたように笑って]
ありがと。
……帰って来てからは、みんなに言われるわぁ、それ。
[エーリッヒと最後に会ったのは、未だ男勝りに駆け回っていた頃。
その時の印象が抜けていないなら仕方ないだろう、と、戸惑い帯びた表情を受け止めて]
うん……知らない人ならいい、って事じゃないよねぇ。
[生き死にがかかってるのだから、と。
その言葉はさすがに飲み込んだが、僅か伏した目には言葉にならなかった思いが滲む]