お願いします。
[男達は去って、表に見張りが数名立つばかり。
己の姿を見る者がその場にいなくなり。
緊張は解け、疲れたように壁にもたれ掛かった。
命じたのは2つ。
何処かにある筈の『絵』を探すこと。
そして、自分がいない間の絵筆の監視。
無闇に使用されぬよう、心得のない者がそれで描けば自分が封じられてしまうかも知れないと、嘘を一つ交えて。
下手な嘘だったが、少なくともその場にいた人間は信じたようだった。
それでも絵筆を使おうとする者がいるならば、余程の根拠を持っているか、或いは真実を知る者になるだろうから]