[言いながら周囲を見回したなら、ちょうど目の前をふわふわとした塊が通りすぎて行って]
そう、ちょうどあんな感じの……って。
[呑気に言いかけた言葉は、改めて見たそれから感じた気配に止まる。
はっきりなに、とは言えないけれど。
それが力あるものであり、影輝の領域たるもの──『均衡』を大きく揺るがすものであるのはぼんやりと感じられたから]
…………うん。
あれが何かはわかんないけど。
あれが原因なのは間違いないと思う。
[言い切った。思いっきり言い切って、それから。
その場に膝をついて、自分が地面に描く影にそ、と手を触れた]