[どれくらい、眠っていたかは自分でもよくわからないものの。
目覚めの気分は、あまりいいとは言えないものだった]
……まー、仕方ない、か。
[理由はわかっているから、苦笑して。
身支度を整えると、最初に足を運んだのは、ビーチェの部屋。
どうしているのか、ちょっと心配になったから……というのが主な理由だったのだが]
……ん? ビーチェ?
[部屋の前に立って、最初に感じたのは、違和感。
人の気配が感じられない事に疑問を感じつつ、開けるよ、と声をかけて扉を開き]
……え? あ、れ……?
[荷物だけが残された、無人の室内に一つ、二つ、と瞬く]