― 翌朝、個室D→個室・C ―
[2人の死を見て、精神的な疲れでもあったのか。墓穴堀りで体を動かしたからか。それとも、寝る前に普段より少し多めに酒を嗜んだからか。
それら全てが原因だったかもしれないが。その夜は夢ひとつ見ず、ぐっすりと眠った。
すぐ隣の部屋で多少の物音がしても、気付けなかったかもしれないくらいに。
翌朝。やはりドレスの背中は自分では締めることができないので、薄手のドレスの上にいままでと同じようなシャツを羽織って誤魔化す事にした。
あとで誰か女性に頼んで締めてもらうまでの一時しのぎだ。
着替えを終えたところで、空腹を覚えて。ユーディットに食事の用意を頼もうと、隣室の扉をノックする]
ユーちゃん。居る?
[だが、返事は無い。
メイドのユーディットは、普段朝早くから仕事をしている。今日も、とっくに起きて食事の支度でもしているのだろうか]