―西エリア―[ロミの首筋に右手が伸びる。香もより顔の近くに、けれど動いたことで散りもした]届い…[たはずの、感覚が抜けてゆく。幼子のように小さな手が見える]あ…?[フラッシュバック。どれだけ伸ばしても、もう届かない。夢と現が混じったのは自分の方だった。戸惑う間に腹へ衝撃がきた。先ほどの比ではなく息が詰まり、吹き飛ばされる。宙を舞い泥濘へと頭から落ち。衝撃に一度意識が吹き飛んで動きを止めた]