― 三階・書斎前 ―[階段を上がるにつれ、強くなる血の臭。 上がりきれば、廊下に倒れる誰かの姿が見えた。 男はゆったりとした足取りでその傍らへ。]……。[紅に沈んでいたのは、名も知らぬ人。 見下ろせば、まっさきに目についたのは左胸の刺し傷。 傍には、細く長い刃の短剣が転がってる。 大広間で集まった時の、愉しそうな嗤い声>>1:112が耳をかすめた気がした。]……本望?[殺りあった相手が、探し人とは知らぬまま、一言零して男は書斎へと。]