─中央部・廃墟─
[相手が距離を詰めて来るのに対し、後退ることもしない。痛めた足で下がっては、バランスを崩しかねないと言う考えもあった]
易々と行かないでしょうから、念には念を入れているのですわ?
[地面を向いていたハンドガンがカルメンへと向く。避ける相手に追撃をかけた。対して、今度はショットガンが地面へと向き、一発の号砲を鳴らす。自分の足元へと減り込んだそれが、行動開始の合図]
[まずはカルメンの警戒の通りに、カルメンの前方の地面から、2・3発の弾丸がカルメン目掛けて飛び出す。予測されていたのなら、容易に回避されることだろう。けれどここからが違った。カルメンの左右に、後方に配置されていた弾丸が、帯状に変化しカルメンの脚に絡みつく。射出速度は弾丸のそれと同じ。漆黒の帯が幾重にも包囲網を作り、カルメンを捕らえようと伸びて来た。刃を振るえば斬り落とされるものではあるが、その数に対処しきれるだろうか]