─ 廊下 ─
[汗を流すため温泉湧く浴室へと向かうのは夜も更けてから。
他の者が先に入れるよう配慮してのこと。
タオルを借りて浴室へと向かおうとして、地下へと向かう通路の近くで動く影>>54を見た。
瞳を細めて見遣れば、今日だけで何度も顔を付き合わせた行商人と知れる]
……おい。
[かける声は届いたかどうか。
そのまま降りてしまうなら、大方酒か、と当たりをつけるのみにして立ち去るが。
こちらに気付くようなら、何をしているのかときつい口調で問うことになる。
理由を聞けたなら、程々にしとけよ、と告げて立ち去ることになるだろう]