─ 厨房 ─……て、あれ?[駆け込んだ先にいた老犬の姿。二、三度瞬いてから、先ほどのやり取りを思い出す]そか、ご飯食べてたのか。[口にして、それから腕の中の黒猫に視線を落とす]……そーいや、お前、食べてないんだよな。ちょっと、作るから待ってろ。[食べていないのは自分もなのだが、そこは見事に棚に上がっていた。食欲はないし、食べたいとも思えない。薬師として、それが問題なのは認識しているけれど、感情が追い付かない。だから今は、と動く事を優先して、一次、黒猫を下に下ろした。*]