あら……。[微笑みはバツの悪そうな苦笑に変わった]忘れていたわけではないわよ。見間違えちゃっただけ。クレイグちゃんね。「本屋」の。覚えていますよ。目と耳が悪くなっても、記憶はしっかりしてるんですからね。貴方がヤンチャをしては手当てに来ていたことだって、ちゃーんと覚えています。[こんなちいちゃかったのにね、と笑いながら曲がった背で青年を見上げる]そうなの。お出かけしてきたところよ。……ああ、これ?偽物よ。[ヒカリゴケの下でも、赤くて細い鮮やかなはな]