―宿屋 食堂―[クロエの告白は断片的には聞こえていたが、深く意識を傾けてはいなくて。はっきりと耳に届いたのは、アーベルの呟いた言葉。そこで初めて首をそちらに向ける]それって……伝承にあった、能力者?[誰かに問うたのか、独り言だったのか、声は小さく何処まで届いたか。再び笑みは失せていた]