― 書庫 ―
[書庫へと案内され、中に入って思わず嘆息する。
予想以上の蔵書と、見ただけでわかる古い貴重な書物の数々]
これは、思った以上に素晴らしい物と出会えそうですね。
[知らず、声に楽しげな色が乗れば、傍らで待つ使用人も誇らしげに頷く。
ほんの少し歩を進めて、書架に並ぶそれを眺め……そうして、ふと気がつく]
……ずいぶん、人狼関係の伝承や研究のような物が多い、ですね。
[書架を一つ埋める程度に集められたそれ。
使用人によれば「旦那様の昔のお仕事の関係と、後は半分は趣味」だという]
ここのご主人はそういう関係に明るいのですか……
そう言えば、確かお名前はアーヴァイン様と……
[ふと目を伏せて記憶を探る。そうして、瞬き一つ、使用人へと向き直って]