[新たな足音に首を向けて、僅かに尾を揺らし]
くぅ。
[再び投げられる問い>>42。
そちらに頭を向けて首を傾げてみせたなら、それだけでも何も見ていないということは伝わるだろうか]
[犬の首元には昨日の夜と違い、小さな赤い機械が取り付けられていた。
昨日リディアの協力を得、入った整備室から引っ張り出してきたそれ。
“ペットの気持ちが分かる”という触れ込みで随分昔に流行った玩具で、いつだったか整備士の誰かが面白半分に持ってきたものだった。
今の技術から見れば見た目も中身も本当に稚拙な機械ではあるが、あったほうが多少は便利と、機械犬なりに判断してのことかも知れない]
[それにも先の問いに関する答えか、『いいえ』という文字が浮かんでいた]