― 前日/団長の家 ―
どうしてもというのなら私の背中を見張っていてください。
泣き腫らした姿など、あまり見られたくないものですわ。
親しい方には特に。
[当然のように団員の監視もついてきて、追い払うことができずにそう譲歩を迫った]
失礼します。
[鍵が掛かっていなかったのは、立ち寄っただけのつもりだったからだろうか。慎ましやかだけれど居心地のよさそうな居間を抜け、奥の部屋を覗いて大きく息を呑んだ。
ぶらん、ぶらんと揺れる白い縄。
床に倒れた椅子。
広げられた白い布に広がる滲み。
苦悶に歪んでいる顔]