[視界が半分しかない現実ではあったけれど身を起して膝まで変色した足を見下ろし、周囲を見た。必死で走り抜けて何を持ってきたのかよく覚えてなかった。武器は腰に帯びたまま。松葉杖は置いてきたようだった。救急箱も、彼のカルテも何も持ってきていなかった。]…[ブリジットの咳に顔を向ける。アーベルもそこにいるのだろう。明らかに病が進行している。だが、飛行機が辿り着けば聞こえる放送に眉を顰めた。>>#1]彼は…1人で歩けるの?