人狼物語 ─幻夢─

72 天より落つる月の囁き


貴族 ミハエル

― 集会場外 ―

[叫んだ後。ふつりと、その顔から表情が抜け落ちる。
声を聞いて駆けつけてきた者がいれば無表情のまま、遺体を抱きしめたまま緩慢な動作で彼らに視線を向けただろう。
その中にこの閉ざされた『場』の中に唯一となってしまった、無条件で信用している伯父の姿があれば、彼にだけは今にも泣き出しそうな顔を向けたかもしれないが]


………なんで、ユーリーが……

[小さな呟きは、誰かに聞こえただろうか。
それがユーディットの本名だと知る者はその場にはいないが、その呟きがもし聞こえたら、腕の中で冷たくなってしまっている彼の事だとはわかっただろうか。

もし、ゼルギウスあたりから、ユーディットの腕にあった蒼花に似せた刺青の事を聞けば。
自分がそれをクレメンス以外に示さなかった為に、身代わりとなってしまった事を知るだろう]


ユーちゃんの腕の、その花のことを知っていたのは……それを見たのは、他に誰がいるかご存知ですか?

[その情報を齎した者に尋ねるその声は、酷く冷たい響きを含んでいたかもしれない**]

(60) 2012/01/17(Tue) 04:20:45

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