─ 夜 ─[泣きすぎて、頭がぼんやりとしていた。あれから過ごした記憶は少し曖昧だ。ただ最後に、アーベルから案ずる言葉がかけられたのを覚えている。こくりと頷いて、大丈夫とだけ告げた。───もう終わらせてしまいたい。逃げ出したい。そんなことを思うと、きりりと心臓が痛む。当たり前だと思った。そんなことでは、犠牲になった者らが救われはしない。それに、自分は彼を…蒼き花、双花聖痕を支えると決めたのだから]