― 翌朝/宿屋 ―[今日も悲鳴が届いた。今日も男は、目が覚めた。唇を舐めて起き上がり、声の方へと足を進める。栗鼠が騒ぎ立てるのを見たが、自分の方にはやってこなかった。ちょこまかと走って行く] ――エーリッヒ。[部屋の入り口から、声を掛ける。彼が抱く存在に、男は一度視線を向けて、そして足を踏み入れた] 弔うぞ。 手を離せ。[エーリッヒの手をぽんと叩く。声も、表情も静かだった。ただ事実を、受け入れる様に**]