─ →雑貨屋外 ─
ん、わかった。
ふーちゃんの爺さんがいてもいなくても、しばらくしたら戻るから。
そっちも気をつけてね。
[なるべく心配かけないように、声は努めて明るかった。
勝手と思っていないお願い>>50には、ひとつ頷いて返してから、外に出るとまず周囲の確認をする。
ほど遠くに赤いペンキのような色と、人形みたいな死体がちらと見えるが、生きた人間の気配はない。多分アンドロイドも居ないだろうと判断すると、鞄の中から端末を取り出した。
一見するとマーズラボでよく見られる端末と変わりないが、自分たちの所の品である。
器用に片手を滑らせるように操作した後、シャッターへと近付けると、先端の通信部から青色の光が出て壊れた部分を照らしだした。
程なくして、壊れて曲がり空いたままだったシャッターは、普段と同じ状態に直される。
ただ直ったのは見た目だけで、実際は壊れたままである。
触れれば擬態してある事はすぐバレるだろう。
声が通る事>>51>>56までは考慮外だった。]