─ 中庭 ─
[受けた上で返す。
体力に自信がある故に取った手段だったが、久貴は一つミスを犯した。
それは投げられた飛び道具が飛来する位置の把握。
腕や肩、胴などであれば耐えるのも可能だったろう。
けれど、今狙われたのは、頭]
────っ!!
[避けようとしなかったためにホース束は狙い通りに飛び、額を叩きつけ、更には上手い具合に首へと巻き付く。
額へと当たったために瞳は閉じられ、それ故に振り上げた熊手は目標から逸れた。
熊手の柄から離れた右手が額を覆う]
っっっっってぇ〜〜〜〜……
[意地で倒れはしなかったものの、頭に受けた衝撃は少なくなく。
額を抑えたままの体勢で、しばし身動きが取れなくなった*]