―浴室前―
[飛河に案内されるままに目的の場所へたどり着けば、そこには既に駆けつけていた人たちの姿がある。]
失礼、僕にも見せていただけますか。
[そう言って間をすり抜け脱衣所に至り、香月の遺体を見る事に。
それは、想像していたよりもショックの大きなものだった。
は、と息をのむ。
映画やドラマでみるような作りものではないと眼前に突きつけられた。
血のにおい。
とても長くは見てられない。死因など探っていられる余裕は無い。
どう見ても香月は死んでいる。その事実は変わらない。
口元を押さえて吐き気を堪え、廊下に飛び出した。]