ナシィン…ナサァク…[何度か口の中で繰り返してみた。]誰かの名前でしょうか?[答える声はなかったけれど。ふと、彼は最初にカミーラが倒れていた時の事を思い出す。自警団の青年が抱き起こしていたけれど、あの時も、聞こえなかったけれど、カミーラの口が動いて何かを言おうとしていたような気がした。その事を、彼はキャロルに伝える。]