[ナイフはポケットに入っている。未だ誰かを差すだけの決意はもてないが、護身用だと言い聞かせて。ベルナルトと共に広間に辿り着くと、椅子に座らせてからお茶を入れる。湯が沸くまでの間、ちらちらとベルナルトの様子を気に掛けた。フィグネリア自身ショックは大きいが、動けないほどではない。けれど、厨房に立てばどうしても先日のことが思い出されて、気は重くなる。下ろした方が良いと言われた金糸を垂らし、スカーフは肩に掛けて。滲んだ涙を手の甲で*拭った*]