……余裕、だか。
[真正面からの攻撃はサイドステップで容易く避けられた。
どうやら相手は、何事か呟いているらしい。
敵を目の前にして別の事を考えていられるのか]
まあいいだ……
(まだそっちが仕掛けてこないなら……)
[エルザが回避したのと同方向へ回り込み、もう一度鉄槌を地面に叩き付ける。
痕跡がエルザを挟んだX型となるように――
そう、咄嗟に回避したならその形になるように、エルザの体の中心からやや外側にずらして攻撃を打ち込んだ]
(上手く行けば……横にも後ろにも、簡単には回避出来なくなるだ!)
[そして棘の列と並走するように、自身もまた駆け出していた]