― 1F非常口 ―[ぽん、と肩に乗せられる大きな手。じ、と動揺の滲む眸が学長を見上げる]――…あ。[置いておく心算は無かったが運ぶという考えも無かった。脈がないのを確かめても尚、彼が目を開けてまた他愛ないいつもの遣り取りがあるのを何処かで期待していた]宿直室。そう、ですね。わかり、ました。[ゆる、と頷く。親友の死を心の何処かで否定し続けたまま学長が響へと差し伸べる手を見れば首を横に振り]ボクが運びます。[血に濡れた親友の身体を静かに抱いて学長と共に宿直室へ足を向けた]