─ 階段 ─[立ち上がるのは何とかなったらしいため、伸ばしていた手を引っ込めて。階段へと向かうユリアン>>60の後に続いたが、どうにも危なっかしい]ユリアンちょっと待て────[つい声で呼び止めようとしたのが拙かった。ユリアンが聞こえるはずもなく、彼はそのまま階段を下り始めて]って、あぶねー![よろめいて足を踏み外すのを支えるには間に合わなかった。手摺りに頭をぶつけた音はイヴァンの耳にも届いた。意識を飛ばしたユリアンの身体が重力に従って落下して行くのを寸でのところで掴まえる]