─ 夢 ─[”それ”が発現するのは、決まって夜だ。それがどういう仕組みなのかを、クロエは知らない。ただぼんやりとした意識の中に、思う人の姿の輪郭を見る。夢の風景が曖昧なように、その状況もまた曖昧だ。ただ、クロエは夢で確信を得る。それが月のいとし子であるか、そうではないか。今までは違う──と、穏やかに判じた] [ その夢が 恐怖の色に 染まる ─── ]