― 公園 ―
[人気があまり無い公園のおかげで小騒ぎにならずに済んだ。
いくら宇宙人が認知されてる世とはいえ、自分の本来の容姿や造形はどうにも一般基準とはだいぶかけ離れているらしく、うっかり見られると悲鳴を上げられかねないのだった。
携帯端末を学生がよく使うような大振りの鞄に放り込むと、公園を出た。]
お、わんころだ。
[街まで出ると、最近見かける犬に視線がいく。
その周囲に子供と大人がいて、親子で微笑ましいなぁなどと間違った認識をしっかり植え込みながら、街を抜け雑貨屋に入っていった。]
→ 雑貨屋 ―
うぉーっす。ふーちゃん黒ぺンある?
[店番してるだろう娘さんに、気軽に声をかけながら、筆記用具の置いてあるコーナーへと進む。擬態した身体の力加減はなかなか難しく、よくペンを壊してはこちらの店にお世話になっていた。]