― 外 ―[>>56館へ戻る途中ふと館を見ると、廊下の窓から見える姿に気づいて瞬いた。]わーありゃ運が悪い。[度重なる不幸の末に没落したのはよく知っている。天性の凶運の持ち主だろうかと思いながら、向こうが気づけばひらと手を振った。笑みは、いつもと違い苦笑の色濃いものだったが。よく見ればもう一人二人、人の姿が見える気がする。本当にあいつめ後先考えて無かったのかと、使用人に呆れた。]お嬢様と旦那様は逃げられたのかしらね。[この調子だと微妙な所だったが。]