― 玄関 ―
ええ、旦那様もお嬢様も、メイドも執事も相変わらずですよー。
[>>59オードリーには明るく頷いて、彼女の荷は運ぼうと手を伸ばす。
強く断わられれば手は出さないが、荷は軽々と運ぶだろう。
空を見上げながら、不安そうに言う様子に、こちらも少し空を見上げる。続いて視線は遠く橋の方へ。]
あーあの吊り橋は怖いですもんね。
慣れても駄目な人もいるくらいですし。
うっかり落ちても、ですしねー。
[かくいうメイドは、口にするほど恐ろしいとは思っていない調子で言う。
そんな世間話をしながら、二階客室へ案内した。
余分に部屋を整えておいて、良かったとはこのことだ。]