─ 森のどこか ─
[紡がれる小さな呟き>>15は、届く事はなく。
唐突な要請に答え、術を展開する様子>>16に、ほんの少しだけ、口の端が上がった。
走行している間に、額に当てたカードには淡いいろの光が灯り]
……深く全てを包むもの。力の導き手の作る流れに添いて、その在り様を変質させよ。
無にして有なるものに、混沌への回帰を齎す、黒き雷の一閃を……漆黒雷閃!
[投げつけられるのは、五枚のカード。
ルーンを描いたもの二枚と、紅一色で図案の描かれたもの三枚。
それらは螺旋描いて陸生大ヤドカリの上へと舞い上がり──言霊に応じて砕けると共に、一筋の黒く雷を生み出した。
重力の鎖と石の縛、二つの力に捉えられたヤドカリにそれを避ける術はなく。
頭頂部から落ちたそれに撃ち貫かれ、鋏を振り上げた後──ぱた、と伏して動きを止めた]