─宿屋─
[リッキーから部屋の準備が出来た、と言われれば世話をかける、と頭を下げ。
ゲルダを連れていこうとした時、フーゴーに引き止められる。
そして眼前に出されたものは、彼の左腕に巻きついたものと同じ煌きを持つ短剣だった。
そして、覚悟があるなら受け取れ、と告げられれば、手を伸ばしかけて、一旦思い留まり。]
…俺に渡して…良い、のか。
俺が、人狼かも、しれないんだぞ。
[人間だという証を立てられているものは、フーゴーにクロエ、ユリアンだけだった。
自分のことを信じると言ってくれた彼女は、腕の中で冷たくなっている。
知らず、抱きしめる手に力を込めて、フーゴーを見つめ。]