[目前。この腕を振り下ろせれば切り裂ける位置にいるオクタヴィア。
だが、消耗した身体ではこの拘束を振りほどくことは出来そうになく、ただキッとオクタヴィアを睨みつける。]
……………………。
[あと少しで──その事が彼女の心中をじわじわと蝕んでいき、じゅうっ、と額に灼ける痛みが走り──そこで自制の箍が外れた。]
…………アンチ・テトラ・グラマトン。
『アエーシュマ・ダエーヴァ』──コード・ジュデッカ。
[ぼそりと彼女の口からその言葉が零れると同時。迸る閃光が十字架から発せられ、彼女を拘束する帯ごと周りのすべてを弾き飛ばす。]