─ 診療所 ─
[ありがたい、と思われているとは知る由もない。
家同士の付き合いもあって、子供の頃はちょこまか後ろをついて歩いていたから、自然とヒューゴの態度に慣れたが故──だが、当人にその自覚もなく]
それは、じっちゃんも言ってるなぁ。
[うんうん、と返すのは同意の頷き。
なお、二日酔いに陥った村の者が薬師を頼ってくるのはよくある事で。
それに対し、特別に苦い薬が処方されるのも日常茶飯事である]
ん、そっか、外回りもあるもんね。
……俺も、ハーブティ作って届けにいかないと。
[回診鞄を手に取る様子に、ふと思い出すのは。
これまた幼い頃からの通い先の一つの事。*]