[優雅に一礼してその場を後にするアナスタシア。
メーフィエの暫く、茫然とそのすがたを見るともなく見詰めていた。
はっと目覚めたように大きく瞬いた時には、目に焼きつく程に鮮やかな赤い裾の主は、もう扉の向こうに消えてしまっていた。]
………って、だいじょうぶ、
[オリガがよろめく様>>48は見えていたが、メーフィエが腰を上げるより前に、サーシャ>>50が彼女の方に駆け寄っていた。
彼もまた痛みを抱えているとは知らぬ故に、また食事を共にしていたキリルの意識も彼女らのほうに向いていたよう>>53だったこともあり。
自分からは駆け寄らず、ただ何時でも手は貸せるように、そちらの方に意識は向けていた。
尤もそれは、まだ少しぼんやりとした心地が抜けていなかった所為でもあったが――。]