[ブリジットが去ったあと問われれば]
不安なのは、『聴こえる』というのは必ずしも良いこととは限らないことですか。私の知る伝承であれば、ですがね。
もっとも、それをここで告げる以上『そちら』ではないと信じたくもなりますが。あの方は分からない所が多すぎる。
[溜息と共にそう評して]
……。
それが必要とされるのならば否やは言いませんよ。
“敵”と定めたら、容赦をする気はありません。
[口端に浮かんだ笑みは、医師という職に似合わぬ歪んだもの]
守りたいものを害する者があるのならば。
この手で退けましょう。
[白金に映るのは、昏い色をした*双つの翠*]