……俺は……。[父の時は、自然が相手で。母の時は、病が相手で。けれど、祖父が死んだのは人狼の牙によるもので。今までと違って、やろうと思えば手が伸ばせる相手が『仇』だから。だから、余計に悩んでしまう]…………あー……もう。どうせわかるんなら、もっとこう、まとめてわかれればいいのに。[唐突に芽生えた力──亡き父が遺したそれの融通の利かなさに、つい、零れ落ちたのはこんな愚痴]