[ハインリヒと行き違ったとして、詳細は台所に居るものに任せることとして]
……こんなところで休んでいると、ダーヴさんやロートスに言いつけますよ。
[廊下で見かけたユリアンには、そんな言を。
先の恩を思い出してか、一端引き返して厨房から冷えた布を持ってくると、押し付け、食事の用意があることを告げてから立ち去った。
それから、皆のいる一室へと赴く。
眠りについたブリジットと対面するときも、その子の顔を見るときも、極力、笑みを作り、新たな生命を歓迎してみせた。
食事のことは伝えたものの、自衛団の件は、自らは言い出せずに。
幾度か躊躇うような仕草に何か勘付いた者はいたかもしれないけれど。
その場に長居はせず、死と生の入り混じった部屋を後にする**]